Unitree、軽量産業向け四足歩行ロボット「As2」を発表 — ミドル市場を狙うハイパフォーマンス機
春節の番組で注目を集めたUnitreeが、新たに軽量・産業向けの四足歩行ロボット「Unitree As2」を発表。携帯性と高い運動性能を両立し、製品ラインの新たなミドル層を開拓します。
春節の祝賀番組(春晩)で披露したヒューマノイドの武術パフォーマンスが話題になったUnitree Technology(宇樹科技)が、新たに四足歩行ロボット「Unitree As2」を発表しました。今回の発表は、同社が四足歩行ロボットの製品群をさらに拡充する意図を示すものです。
As2は、軽量で産業用途を想定した四足歩行ロボットとして位置づけられます。サイズはコンシューマー向けフラッグシップの「Go2」と近いものの、同社はその動的性能がGo2の約2倍に相当すると説明しています。
コンパクトな機体、強力な性能

重量はわずか18キログラムとコーギー犬ほどの軽さながら、As2は優れた運動能力を発揮します。
- 4時間以上のハイキングに同行可能
- 電動自転車に匹敵する最高速度を実現
- 重量物の運搬が可能
- 積雪路や不整地でも動作
- ふくらはぎほどの深さの「水たまり」を歩行可能
- 200ポンド(約90kg)の成人が上に乗ってもバランスを維持
携帯性と高いパフォーマンスを両立する点で、コンシューマー向けと産業向けのあいだを埋めるハイブリッド機と言えるでしょう。
製品ラインナップの変遷
As2はUnitreeにとってここ2年で発表された2機目の四足歩行ロボットで、これまでに同社は以下のモデルを発表しています:
- Unitree B2(2023年11月):重量約60kgの産業用モデル
- Unitree A2(2025年8月):重量約42kgの産業用モデル
上記の2機は重量級モデルに属しますが、18kgのAs2はプロ仕様の性能を維持しつつ、より軽量なセグメントを明確にターゲットにしています。
技術仕様(スペック)
公式発表によれば、As2の主なスペックは以下の通りです:
- 重量:18 kg
- 最大トルク:90 N·m
- バッテリー駆動時間:無負荷時で4時間以上
- 動的可搬重量:15 kg
- 静止耐荷重:定格65 kg
- 積載時の航続距離:13 km以上
- 保護等級:IP54(防雨仕様)
- 二次開発サポート:カスタマイズ可能なオープンエコシステム
その他の詳細スペックや価格情報は現時点で公開されていません。
実機デモ映像に見るパフォーマンスのハイライト

敏捷性とスピード
As2の最高速度は5 m/s (18 km/h)に達し、一般的な大人の走行速度を上回ります。都市部を走る電動自転車と同等の速さです。参考として他モデルの速度は以下の通りです:
- Go2 Air:最大 2.5 m/s
- Go2 Pro:最大 3.5 m/s
- Go2 X および EDU:最大 5 m/s
これにより、As2はUnitreeのコンパクトラインナップの中でもトップクラスの機動力を誇ります。
地形適応能力
デモ映像では、水たまりや雪斜面を難なく進む様子が確認できます。重い荷物を載せた状態でも傾斜地で安定しており、複雑な屋外環境での運用に適していることが示されています。
バッテリー性能
無負荷での連続稼働は4時間以上とされ、一般的なGo2シリーズ(通常1〜2時間)を大きく凌ぎます。これまで4時間超の稼働は最上位のEDUエディションに限られていました。
AIと制御システム
As2はUnitreeが「身体性知能大規模モデル(Bionic Embodied Large Model)」と呼ぶAIを統合しており、知覚や運動のアルゴリズムが刷新されています。デモではユーザーが移動経路を変えても機体が即座に姿勢を補正し、遅延をほとんど感じさせません。映像は実時間での高い応答性を示しています。
この高いレスポンス性は、エンボディド・インテリジェンス(身体性知能)アプリケーションの進展を示唆します。
また、改良版の「ISS 3.0 インテリジェント・コンパニオン・システム」を搭載し、自律的な追従走行が可能です。今後は以下のような機能進化が期待されます:
- 高度な音声対話機能
- 大規模言語モデル(LLM)との連携
- エージェントベースのタスク実行
- 動作および意図認識の向上
耐荷重性能

積載性能でもAs2はコンシューマーモデルから一線を画します:
- 定格動的可搬重量:15 kg
- 定格静止耐荷重:65 kg
参考として、Go2シリーズの一般的な積載量は7〜8kg、最大でも10〜12kg程度です。
デモでは公式スペックを上回る体重105kgの成人が機体の上に立っても安定を保っていた場面が確認されています。
優れた拡張性
UnitreeはAs2に7軸の多指ハンド(ロボットアーム)などのオプションを装着できるとしており、用途の幅拡大が期待されます。
市場での位置付けと展望
As2の導入により、Unitreeの製品ラインに戦略的な隙間が埋まりました:
- コンシューマーグレード:Goシリーズ
- 軽量産業グレード:As2
- 中量産業グレード:A2
- ヘビーデューティ産業グレード:Bシリーズ
コンパクトな家庭用機と重厚な産業機の間を埋めることで、As2は新たなミドルティアを確立しました。
携帯性と高出力、オープンな開発環境を備えることから、以下のような導入が想定されます:
- 施設巡回・点検
- 研究開発およびラボでの使用
- 教育現場
- 軽作業の産業タスク
最終的な評価は、今後発表される公式価格や追加の技術情報の公開を待つ必要があります。