ローカルLLM比較 2026|性能・NSFW・必要GPUで選ぶオープンソース大規模言語モデル
ローカルLLM選びで大事なのは、いちばん大きいモデルを選ぶことではありません。2026年時点では、性能、NSFW対応、必要GPU、ライセンス、実行速度、そして自分の用途に合うかをまとめて見る必要があります。
実用的には、日英中を含む多言語・コード・RAGならQwen 3.8、Google系のオープンウェイトと分かりやすい公式資料を重視するならGemma 4、NSFWや成人向けロールプレイで拒否を減らしたいならDolphin 3.0、長文・Agent・サーバー運用まで見るならDeepSeek V4が主な候補になります。
早見表
| 目的 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 多言語・コード・RAGをバランスよく使いたい | Qwen 3.8 27B | 日本語、英語、中国語、コード、実務タスクのバランスがよい |
| 公式資料が整ったGoogle系モデルを使いたい | Gemma 4 | モデルカード、安全情報、サイズ展開が分かりやすい |
| NSFW・ロールプレイ・低拒否を重視したい | Dolphin 3.0 | 無検閲fine-tuneの代表格で、system promptを効かせやすい |
| 長文・Agent・企業向け検証をしたい | DeepSeek V4 | 長文処理や大規模推論向け。ただし個人PC向けではない |
| 派生モデルやGGUFを大量に選びたい | Llama系 | コミュニティと量子化モデルの選択肢が多い |
| 大型MoEをサーバーで検証したい | Mistral Large 3 | オープンウェイトの大規模MoEとして、企業・研究向けに比較価値がある |
| Agent・ツール利用を重視したい | Kimi K2 / GLM-4.6 | コード、長文、ワークフロー自動化で比較したいモデル |
性能で比較する
ベンチマークは参考になりますが、ローカルLLMでは実際の用途がさらに重要です。コード補助、日本語文章、長文RAG、成人向け創作、ローカルAgentでは、同じモデルでも評価が大きく変わります。
Artificial AnalysisやLMArenaのようなリーダーボードは全体感を見るには便利です。ただし、自分の文書、文体、プロンプト、ツール連携、NSFW用途での挙動は、必ず手元で試した方がよいです。
| モデル | 性能面の特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| Qwen 3.8 | 多言語、コード、実務タスクの総合力が高い | 公式モデルはNSFW特化ではない |
| Gemma 4 | 公式資料が整い、12B/26B/31Bから選びやすい | 公式版は安全寄りで拒否もある |
| Dolphin 3.0 | system prompt、創作、ロールプレイで扱いやすい | 安全設計はユーザー側に寄る |
| DeepSeek V4 | 長文、Agent、大規模サービングで注目 | 個人GPUではかなり重い |
| Llama 4 / Llama系 | fine-tune、GGUF、ロールプレイ派生、導入情報が豊富 | 公式版と派生版で挙動が大きく違う |
| Mistral Large 3 | オープンウェイトの大型MoEとしてサーバー用途で注目 | 個人PCで気軽に動かすモデルではない |
| Kimi K2 Thinking | Agent、ツール利用、コード系ワークフローに強い | NSFWやロールプレイ目的のモデルではない |
| GLM-4.6 | 長文、コード、Agent用途で比較したい候補 | Llama/Qwenほど日本語圏で情報が多くない |
NSFW・無検閲で比較する
NSFW対応は、クラウドAIとローカルLLMの違いが出やすい部分です。クラウドAIはプラットフォーム側のモデレーションが入りやすく、ローカルのオープンウェイトモデルは、実行環境、system prompt、追加フィルターをユーザー側で決めやすくなります。
Dolphin 3.0は、この中では最もNSFW・無検閲寄りの候補です。成人向けロールプレイ、創作、低拒否の会話、system prompt制御を重視する人に向いています。ただし、自由度が高いぶん、公開サービスに使う場合は独自のルールや悪用対策が必要です。
Qwen 3.8やGemma 4は公式版としては安全寄りですが、コミュニティにはabliteratedやuncensored系の派生モデルもあります。これらは公式版とは別物として、ライセンス、配布者の信頼性、用途を確認して使うべきです。DeepSeek V4はNSFW目的より、長文・Agent・大規模用途で評価した方が自然です。
必要GPU・VRAMで比較する
ローカルLLMでは、紙の上で一番強いモデルより、毎日ストレスなく動くモデルの方が価値があります。VRAM、量子化、コンテキスト長、KV cache、推論速度を一緒に考える必要があります。
| GPU/VRAM | 現実的な候補 | 使い方の目安 |
|---|---|---|
| 8GB〜12GB | 7B/8B GGUF、Dolphin 3.0 8B、小型Llama/Mistral | 文章生成や軽い会話向け。長文RAGやAgentには弱い |
| 16GB | 12B級、Q4/Q5の20B〜27B級 | 短めのコンテキストなら実用的 |
| 24GB | Qwen 27B量子化、Gemma 31B/26B量子化、Dolphin 24B GGUF | 個人ユーザーの本格運用ライン |
| 48GB〜80GB | 大型BF16、長文、サーバー用途 | 速度と長文処理を両立しやすい |
| 複数GPU/サーバー | DeepSeek V4 Pro/Flashなど大型MoE | 研究・企業向け。個人PCの範囲を超えやすい |
主要モデル別レビュー
Qwen 3.8:総合力で選ぶなら最有力

Qwen 3.8は、多言語、コード、RAG、ツール利用をまとめて見たときにバランスがよいモデルです。巨大なMax系より、ローカル用途では27B系を中心に考える方が現実的です。
弱点は、公式モデルがNSFW特化ではないことです。成人向けロールプレイや低拒否を最優先するなら、Dolphin系やコミュニティ派生モデルと比較した方がよいでしょう。
Gemma 4:公式資料とGoogle系エコシステムが強い

Gemma 4は、Google系のオープンウェイトモデルをローカルや自前環境で試したい人に向いています。12Bは試しやすく、26B-A4Bや31Bはより高品質な検証向けです。
公式版は安全寄りの挙動です。NSFWや低拒否を狙う場合、HereticやAbliteratedのようなコミュニティ版を調べる人もいますが、公式版とは別モデルとして扱う必要があります。
Dolphin 3.0:NSFW・ロールプレイ重視の定番

Dolphin 3.0は、無検閲ローカルLLMを探す人にとって分かりやすい候補です。創作、ロールプレイ、成人向け文章、system promptを強く反映させたい用途で選ばれやすいです。
最初は8BやGGUF版から試し、品質を上げたい場合にMistral 24Bへ進む流れが現実的です。自由度が高いぶん、他人に提供するサービスでは安全設計をユーザー側で行う必要があります。
DeepSeek V4:強いが個人PC向けではない

DeepSeek V4は、長文処理、Agent、サーバー運用、大規模タスクで注目されるモデルです。ProとFlashの分かれ方も分かりやすく、品質重視かコスト重視かで選べます。
ただし、普通の個人PCで気軽に動かすモデルではありません。vLLMやSGLangでのサービング、複数GPU、コスト管理まで含めて検証するチーム向けの性格が強いです。
Llama 4 / Llama系:派生モデルの多さで選ぶなら外せない

Llama 4 Scout / Maverickを含むLlama系は、ローカルLLMの実用面で今も重要です。公式モデルだけでなく、GGUF、コーディングfine-tune、ロールプレイfine-tune、uncensored派生、導入記事が非常に多く、選択肢の広さではトップクラスです。
一方で、Llamaは「一つのモデル」として評価しにくい面があります。公式Instruct、コード特化、ロールプレイ特化、無検閲派生では挙動がかなり違います。自由に選びたい人には強いですが、迷わず一つ選びたい人にはQwenやGemmaの方が分かりやすいでしょう。
Mistral Large 3:サーバー運用向けの大型オープンウェイト

Mistral Large 3は、個人が気軽に試す小型ローカルLLMというより、オープンウェイトの大型MoEを自前環境で評価したいチーム向けのモデルです。DeepSeek V4と同じく、性能上限は高い一方、ハードウェアと運用コストが重くなります。
NSFW面では、モデル名だけで判断するより、実際に使うInstruct版、提供プラットフォーム、追加フィルター、利用規約を見た方が安全です。ローカル自由度を求めるなら、DolphinやLlama派生とは別軸で比較するモデルです。
Kimi K2:Agent・ツール利用向けの注目候補

Kimi K2 Thinkingは、単純なチャットよりも、コード、Agent、ツール利用、複数ステップのタスクで評価したいモデルです。ブラウザ操作、コード修正、ワークフロー自動化のような用途では、一般チャットベンチマークだけでは分からない強みが出ます。
DolphinのようなNSFW・ロールプレイ重視モデルではありません。Qwenと比べる場合も、日常会話よりAgent用途で実測する方が違いを見つけやすいです。
GLM-4.6:長文・コード・Agentで試したい中国系モデル

GLM-4.6は、LlamaやMistralほど日本語圏で話題になりやすいモデルではありませんが、長文、コード、Agent用途では比較対象に入れる価値があります。中国系オープンモデルをQwenやKimiと比較したい人にも向いています。
選ぶときは、リーダーボードの順位だけでなく、自分のコードベース、長文資料、ツール呼び出し、推論速度を見て判断するのが現実的です。
選び方
- まず用途を決める。コード、文章、RAG、NSFW、長文、Agentでは最適モデルが違う。
- GPUに余裕を持って動くモデルを選ぶ。ぎりぎり載るモデルは日常利用でつらい。
- 最初はGGUFや4bit量子化で試し、必要になってからBF16やサーバー構成を検討する。
- NSFW重視なら公式安全寄りモデルとDolphin/Llama派生を分けて評価する。
- Agent重視ならQwen、Kimi、GLM、DeepSeekを自分のワークフローで比較する。
- 商用利用では、モデル本体、ベースモデル、派生モデル、量子化版のライセンスを確認する。
よくある質問
総合的におすすめのローカルLLMはどれですか?
多くの人にはQwen 3.8 27Bが最初の候補になります。多言語、コード、RAGのバランスがよく、24GB級GPUで量子化版を試しやすいからです。NSFWやロールプレイが主目的ならDolphin 3.0の方が向いています。
RTX 4090 24GBならどのモデルが現実的ですか?
Qwen 27B、Gemma 31B/26B、Dolphin 24Bなどを量子化版で試すのが現実的です。長文コンテキストや速度を重視するなら、12Bや8Bへ下げた方が快適な場合もあります。
NSFWに一番向いているモデルはどれですか?
この中ではDolphin 3.0が最も分かりやすい候補です。QwenやGemmaにもコミュニティ派生のuncensoredモデルはありますが、公式版とは別物として慎重に選ぶ必要があります。
商用利用できますか?
モデルごとに違います。公式モデル、ベースモデル、fine-tune、GGUF変換で条件が変わることがあります。特に企業利用では、ライセンス、入力データ、ログ、出力レビューを確認してください。
Ollama、LM Studio、vLLMはどう使い分けますか?
OllamaやLM Studioは個人PCで試すのに向いています。vLLMやSGLangは、API化、batching、チーム利用、長文処理を考える段階で使いやすいです。
まとめ
ローカルLLMは、性能だけで順位を決めると失敗しやすい分野です。Qwen 3.8は総合力、Gemma 4は公式資料とGoogle系エコシステム、Dolphin 3.0はNSFW・低拒否、DeepSeek V4とMistral Large 3はサーバー級の大規模用途、Llama系は派生モデルの豊富さ、KimiとGLMはAgent・長文・コード用途で見ると分かりやすいです。
最初の一歩としては、24GB GPUならQwen 27BやGemma 12B/31Bの量子化版、NSFW重視ならDolphin 8B/24BやLlama派生、Agent重視ならQwen/Kimi/GLM、サーバー検証ならDeepSeek V4やMistral Large 3を候補にすると選びやすいです。大きいモデルを無理に動かすより、毎日速く使えるモデルを選ぶ方が、ローカルAIの価値は出やすくなります。