会議中にきちんとメモを取ろうとすると、入力に気を取られて会話へ集中できなくなりがちです。AI議事録ツールを使えば、音声の文字起こしだけでなく、話者の識別、要点の整理、決定事項やタスクの抽出まで自動化できます。
ただし、最適なツールは用途によって異なります。営業チームならCRM連携、記者や研究者なら修正しやすい文字起こし、学生なら検索できる講義ノートが重要です。本記事では、10種類のAI議事録ツールを用途別に比較します。
AI議事録ツールを選ぶときのポイント
文字起こし精度だけでなく、作成された情報を確認し、共有し、次の行動につなげやすいかも重要です。
- 録音方法:会議ボット、ブラウザ拡張機能、PCやスマートフォンからの直接録音など方式が異なります。
- 文字起こし:アクセント、専門用語、発言の重なり、雑音への対応を確認します。
- 要約とタスク:決定事項、質問、次のアクションを分けて整理できると実務で役立ちます。
- 言語:文字起こしと翻訳で対応範囲が異なるため、実際に使う言語を確認しましょう。
- 編集と出力:話者名、タイムスタンプ、検索、ハイライト、書き出し形式も比較ポイントです。
- プライバシー:録音への同意、保存期間、データ処理、管理者権限を事前に確認してください。
おすすめAI議事録ツール比較表
| ツール | おすすめ用途 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Krisp | 騒がしい環境での通話 | ノイズ除去とボット不要の議事録 | 一部機能は有料 |
| Happy Scribe | 取材・多言語コンテンツ | 編集と多様な書き出し | 会議自動化は限定的 |
| Notta | 多言語会議 | ライブ・録音済み音声の両方に対応 | プランごとに利用上限あり |
| WhisperTranscribe | 収録済み音声 | 文字起こしとコンテンツ再利用 | ライブ会議向けではない |
| AudioPen | 個人の音声メモ | 話した内容を読みやすい文章へ整形 | 会議管理機能は少ない |
| Tactiq | ブラウザ会議 | ボットなしのライブ文字起こし | 対応ブラウザ・会議環境に依存 |
| Sembly AI | プロジェクト管理 | 決定事項とタスクの抽出 | 簡単な用途には機能が多い |
| Fireflies.ai | 営業・顧客対応 | 検索とCRM連携 | 会議ボットが不向きな場面もある |
| Fathom | 素早い会議フォロー | 要約と共有用ハイライト | 会議環境の対応確認が必要 |
| Supernormal | 顧客対応チーム | テンプレート化された議事録 | 高度な共同作業は有料の場合あり |
1. Krisp — クリアな通話とボット不要の議事録に

会議を開始すると、端末側で音声を取り込みながら文字起こしを作成し、終了後に要点・決定事項・担当タスクへ整理します。ノイズ除去と記録が同じアプリにまとまるため、複数の音声ツールを切り替えたくないチームに実用的です。
実際の使い方と注目機能
- 端末からのボット不要キャプチャ
- ノイズ・反響・周囲の声の低減
- 要約、決定事項、アクション項目の自動整理
Krispは、会議の文字起こし・要約と、同社が得意とするノイズ除去を組み合わせたツールです。共有オフィスや自宅など、周囲の音が入りやすい場所で通話する人に向いています。端末側で音声を取得できるため、会議に目立つボットを参加させたくないチームにも選択肢になります。
主な機能
- リアルタイム文字起こしと構造化された要約
- 決定事項、要点、アクション項目の整理
- 雑音・エコーの低減
- 主要なWeb会議サービスへの対応
おすすめ:音質改善と議事録作成を一つにまとめたいリモート・ハイブリッドチーム。
メリット:ボット不要で使いやすく、音声品質と記録を同時に改善できます。
デメリット:高度な会議・音声機能の一部は有料です。
2. Happy Scribe — 多言語の文字起こしと編集に

録音ファイルをアップロードし、タイムスタンプ付きの編集画面で内容を確認するのが基本です。話者名や聞き間違いを細かく直してから、文書や字幕として渡せるため、正確さを重視する制作工程に向きます。
実際の使い方と注目機能
- 音声・動画ファイルの文字起こし
- 話者ラベルとタイムスタンプ編集
- 文書・テキスト・字幕形式への書き出し
Happy Scribeは、簡易的な会議メモよりも、本格的な文字起こし作業に向くサービスです。取材、研究、講義、ウェビナー、動画など、内容を丁寧に見直したい場面で力を発揮します。単語や話者名、タイムスタンプを修正しやすく、用途に合わせて書き出せます。
主な機能
- 音声・動画のAI文字起こし
- 話者ラベルとタイムスタンプ編集
- 多言語・アクセントへの対応
- 文書・テキスト・字幕形式への出力
おすすめ:編集可能な多言語文字起こしが必要な記者、研究者、教育関係者。
メリット:編集画面と出力形式が充実しています。
デメリット:会議後のタスク自動化は専用の会議アシスタントほど強くありません。
3. Notta — 多言語会議に

会議のライブ録音、Web会議、既存ファイルを一つのワークスペースで扱えます。終了後はキーワード検索や話者別表示で必要な箇所へ戻れるため、長い講義や多言語インタビューの振り返りにも便利です。
実際の使い方と注目機能
- ライブ音声とファイルの両方に対応
- 話者識別と全文検索
- 多言語の文字起こし・翻訳・要約
Nottaは、ライブ音声と録音済みファイルの両方を文字起こしできます。検索、話者識別、要約、多言語機能がそろっており、国際的な会議や講義にも使いやすい構成です。Webとモバイルに対応し、特定の会議サービスだけに縛られにくい点も魅力です。
主な機能
- ライブ文字起こしとファイルアップロード
- 話者識別・検索・AI要約
- 多言語の文字起こしと翻訳機能
おすすめ:複数言語で会議や取材を行うチーム。
メリット:言語対応が広く、ライブと録音済み音声の両方で使えます。
デメリット:録音時間やAI機能の上限はプランによって異なります。
4. WhisperTranscribe — 録音済み音声とコンテンツ制作に

収録済みの音声や動画を読み込ませ、文字起こしから要約や別コンテンツを作る流れに適しています。会議へ常駐するタイプではないため、ポッドキャストや取材素材を後から整理したい人に分かりやすい選択です。
実際の使い方と注目機能
- 音声・動画のファイルアップロード
- 複数言語の文字起こし
- 要約やコンテンツ再利用の支援
音声・動画ファイルを文字に起こし、要約や別形式のコンテンツへ展開したい人向けです。ポッドキャスト、取材、研究記録、編集後の素材整理に適しており、ライブ会議の同席アシスタントとは役割が異なります。
おすすめ:研究者、ポッドキャスター、編集者。
メリット:アップロード中心で分かりやすく、収録素材の再利用に便利です。
デメリット:リアルタイム会議や組織管理には不向きです。
5. AudioPen — 音声メモを読みやすい文章に

スマートフォンやブラウザに向かって思いついた内容を話すと、重複や言い直しを整えた文章へ変換します。会議の完全な記録よりも、移動中のアイデアや下書きをすばやく残す用途で価値があります。
実際の使い方と注目機能
- 短い音声メモの即時変換
- 口語を読みやすい段落へ整理
- 文体やトーンの調整
AudioPenは会議全体の記録ではなく、思いついた内容を話し、それを整理された文章へ変えることに特化しています。アイデア、日記、下書き、短いメッセージを、入力より会話のほうが速いと感じる人に便利です。
おすすめ:ライター、学生、個人事業主。
メリット:操作が簡単で、未整理な発話を読みやすく整えます。
デメリット:話者識別や会議連携などの機能は限定的です。
6. Tactiq — ブラウザ会議のライブ議事録に

対応するWeb会議をブラウザで開くと、拡張機能が画面上にライブ文字起こしを表示します。重要箇所をその場でマークし、会議後に任意のAIプロンプトで要約やフォローアップを作成できます。
実際の使い方と注目機能
- ブラウザ拡張機能によるライブ表示
- 重要箇所のハイライト
- カスタムプロンプトによる要約・タスク抽出
Tactiqはブラウザ拡張機能で会議を文字起こしするため、別のボットを参加させる必要がありません。重要箇所をマークし、AIプロンプトで要約、タスク、フォローアップ文を作れます。
おすすめ:対応するブラウザ会議を日常的に使うチーム。
メリット:ボット不要で、その場で文字起こしを確認できます。
デメリット:ブラウザと会議サービスの対応状況に左右されます。
7. Sembly AI — 決定事項とタスク管理に

カレンダーから会議を取り込み、終了後に議題、決定事項、リスク、担当タスクへ分解します。複数会議の内容を検索・共有できるため、会話をプロジェクト管理へつなげたい組織で特に効果的です。
実際の使い方と注目機能
- 決定事項とアクション項目の検出
- 複数会議を横断する検索
- カレンダー・業務ツール連携
Sembly AIは文字起こしに加え、議題、決定事項、リスク、アクション項目を整理します。会議内容をプロジェクトの実行へつなげたいチームに向き、カレンダーや業務ツールとの連携も用意されています。
おすすめ:プロジェクトマネージャー、業務チーム、経営層。
メリット:会議後の実行に焦点を当て、複数会議を整理しやすいです。
デメリット:単純な文字起こしだけなら機能が多すぎる場合があります。
8. Fireflies.ai — 営業とCRM連携に

会議ボット、拡張機能、ファイルアップロードなど複数の方法で通話を集め、検索可能な会話データベースを作ります。CRMへ要約や次のアクションを渡せるため、営業の記録負担を減らせます。
実際の使い方と注目機能
- 複数の録音・取り込み方法
- 会話・トピック・話者の検索
- CRMとコラボレーションツールへの連携
Fireflies.aiは通話を、検索できる文字起こし、要約、トピック、フォローアップ項目として蓄積します。CRMとの連携が充実しており、営業や顧客対応の通話内容を手作業で転記したくない組織に適しています。
おすすめ:営業、採用、サポート、カスタマーサクセス。
メリット:会議横断検索と連携が強力です。
デメリット:ボットの参加が適さない会議もあるため、同意と保存設定が必要です。
9. Fathom — 素早い要約と共有に

会議を記録しながら重要な瞬間へ印を付け、終了後に要約や共有用クリップとして取り出せます。通話全体を聞き直さずに、顧客や同僚へ必要な部分だけ送れる点が強みです。
実際の使い方と注目機能
- 自動文字起こしと会議要約
- 共有できるハイライトクリップ
- CRM・生産性ツールとの連携
Fathomは会議後の事務作業を減らすことに重点を置き、文字起こし、短い要約、共有できるクリップを作成します。顧客へのフォローをすぐに送りたいコンサルタントや営業担当者に便利です。
おすすめ:コンサルタント、営業、顧客対応担当。
メリット:要約とクリップを共有しやすいです。
デメリット:利用中の会議環境と録音ルールを確認する必要があります。
10. Supernormal — 定型化されたチーム議事録に

会議の種類に合うテンプレートを選び、毎回同じ項目でノートを作成できます。顧客定例、採用面接、朝会などの記録品質をそろえ、終了後すぐに参加者へ配布したいチームに向きます。
実際の使い方と注目機能
- 用途別の再利用可能なテンプレート
- 会議要約とアクション項目
- カレンダー・業務アプリとの連携
Supernormalは会議後に整理されたノートを作成し、参加者へ共有します。顧客定例、面接、朝会、プロジェクトレビューなど、会議の種類に合わせたテンプレートで記録形式を統一できます。
おすすめ:プロダクトチーム、代理店、採用、顧客対応。
メリット:定例会議の書式をそろえやすく、共有も速いです。
デメリット:高度な共同作業や管理機能は上位プランが必要な場合があります。
用途別の選び方
- 雑音の多い通話とボット不要の記録:Krisp
- 多言語文字起こしの編集:Happy Scribe
- 多言語のライブ会議:Notta
- 録音済みの取材・ポッドキャスト:WhisperTranscribe
- 個人の音声メモ:AudioPen
- ブラウザ会議:Tactiq
- 決定事項とタスク管理:Sembly AI
- 営業・CRM:Fireflies.ai
- すばやい要約とハイライト:Fathom
- 定型のチーム議事録:Supernormal
契約前に、実際の会議音声で2~3製品を試しましょう。話者、アクセント、雑音、専門用語が異なる音声を使い、文字起こしだけでなく要約とタスクが正しいかも確認してください。
よくある質問
AIノートアプリとは?
音声を文字へ変換し、AIで要点、決定事項、ハイライト、アクション項目を整理するツールです。
機密会議でも使えますか?
社内規定と、サービスの保存期間、アクセス制御、データ処理条件を確認したうえで利用してください。必要な場合は録音への同意を得ます。
オフラインで使えますか?
多くのサービスは文字起こし、同期、要約にインターネット接続を使います。録音だけ可能でも、AI処理はオンラインの場合があります。
学生に向くツールは?
検索できる講義ノートや多言語用途にはNotta、個人の考えを学習メモへ整える用途にはAudioPenが便利です。録音許可は必ず確認してください。
人による確認は不要ですか?
不要にはなりません。人名、数字、専門用語、決定事項、担当タスクは共有前に確認しましょう。
会議ボットは必須ですか?
必須ではありません。ボット参加型のほか、ブラウザ拡張機能や端末から直接録音するツールもあります。
まとめ
すべての用途に共通する一位はありません。Krispは通話品質とボット不要の議事録、Happy Scribeは丁寧な文字起こし編集、Nottaは多言語用途、Fireflies.aiは営業連携に強みがあります。会議ではなく個人の音声メモなら、AudioPenが分かりやすい選択です。
実際の会話を安定して記録でき、チームが信頼できるノートを作り、プライバシー要件にも合う製品を選びましょう。