Galaxy Watch 8レビュー:さりげなく進化したサムスンの賢いAndroidウォッチ
Galaxy Watch 8はAIによる高度な健康トラッキング、より高速なプロセッサ、洗練されたデザインを融合した最新スマートウォッチ。実機で検証し、アップグレードする価値があるかを詳しくチェックしました。
詳細スコア
メリット
- 快適さ、スタイル、耐久性のバランスが取れた組み合わせ
- 常時表示対応の超高輝度ディスプレイ
- 実生活でのバッテリー持続時間は約1.5〜2日
- Galaxy AIに基づく賢い健康機能
- Exynos W1000による高い応答性能
デメリット
- Watch 7からの段階的なアップグレードで、大幅な刷新はなし
- watchOSに比べてサードパーティ製アプリの選択肢が限られている
- AI機能は一貫性に欠けることがあり、試行錯誤が必要な場合も
- 使用が激しい場合は依然として毎日の充電が必要
サムスンのGalaxy Watch 8は、大胆な刷新を謳うのではなく、既に成功している要素をそっと磨き上げたモデルです。画面の明るさ向上、装着感の改善、Galaxy AIを活用した高度な健康トラッキング、そして日常の動作がより快適になり、全体として洗練された印象に仕上がっています。ただし、旧モデルからの乗り替えでなければ「劇的な変化」とは感じないかもしれません。
ここでは、2週間ほぼ毎日使ってわかったことと、2025年のスマートウォッチ市場での立ち位置を分かりやすくまとめます。
第一印象:デザイン&ディスプレイ

これまでのシンプルな丸型カバーは姿を消し、サムスンはWatch Ultraで導入した「クッション」型ケースを採用しました。Watch 7より11%薄く、ダイナミックラグ設計の効果で実際より軽く感じます。バンドのフィット感も良く、健康センサーが手首にしっかり接触します。
最大3,000ニットのSuper AMOLEDは非常に明るく、直射日光下でも情報がはっきり見えます。40mmと44mmの両モデルともに画面の鮮やかさと視認性が向上しており、一目で必要な情報を確認したい人に適しています。
パフォーマンス&日常使用
内部には3nmプロセスのExynos W1000チップ、2GBのRAM、そしてOne UI Watch 8(Wear OS 6)が組み合わされています。結果としてアプリの起動は速く、アニメーションも滑らかで、長時間のワークアウト中でもUIの安定感は高いです。
日常的にSamsung Healthの切り替え、Google Geminiを使った音声操作、Spotifyでの音楽再生、メッセージ返信を行っても動作に破綻はありませんでした。とはいえ、Appleのエコシステムほど対応アプリは充実していませんが、WhatsApp、YouTube Music、Google Mapsなどよく使うアプリは問題なく動きます。
健康&フィットネス:あなたのパーソナルコーチ

サムスンはウェルネス機能に力を入れており、Watch 8ではその基準がさらに引き上げられています。BioActiveセンサーにより心拍数、心電図(ECG)、血中酸素(SpO₂)、体組成、皮膚温度、血管負荷などを検出し、これらのデータをAIが解析して精度の高いインサイトを提供します。
Galaxy AIのウェルネスインサイトは、睡眠の質や心拍の傾向、ワークアウト履歴に応じてパーソナライズされたアドバイスを出してくれます。ランニングコーチは特に賢く、12分のベースラインテストを基に動的な数週間プランを作成し、走行中にリアルタイムで指示を送ります。
そのほか、睡眠時間のガイダンスや生理周期・水分補給のカスタマイズトラッキング、SpO₂を使った睡眠モニタリング、夜間も働く改良された転倒検知など、日常の健康管理をサポートする機能が充実しています。
バッテリー寿命:ついに「日」単位へ
これまでサムスンのウォッチはバッテリー持ちが課題でしたが、Galaxy Watch 8では改善が明確に感じられます。
- 40mmモデル(325mAh)と44mmモデル(435mAh)は、常時表示(AOD)オンで約30時間、AODオフで約40時間前後持ちます。
- Watch 8 Classic(445mAh)は使用状況やウォッチフェイスにもよりますが、AODオンで40時間以上、オフなら50時間超えも期待できます。
実際には充電の手間がかなり減りました。30分でおよそ40~45%充電でき、フル充電までは概ね1〜1.5時間ほど。朝のシャワーや短い休憩の間に軽く充電するだけで安心感が増します。
ただし、GPSを頻繁に使ったり画面輝度を最大にすると消費は早く、多くのユーザーは依然として毎日充電する必要が出てくるでしょう。
スマート機能&AI統合

Galaxy Watch 8はGoogleのGemini AIを直接統合した初期のWear OS搭載ウォッチの一つです。従来の音声アシスタントを超える多層的なAIサポートにより、自然な言葉でワークアウト指示やタイマー設定、プレイリスト作成などが行えます。GeminiはかつてBixbyが担っていた役割を引き継ぎつつ、より賢く実用的になっています。
使い勝手も洗練されており:
- スワイプで切り替えられるタイルや、一目で把握できる情報表示
- ピンチ操作で通知を確認するなどのジェスチャーショートカット
- オフライン音楽再生、決済用のSamsung Wallet、SmartThingsによるホームコントロール
サムスンのスマートフォンとペアリングすると、血圧測定やカメラ遠隔操作など追加の機能が使えるようになります。なおiPhoneサポートは引き続き提供されておらず、このモデルは明確にAndroid向けです。
買う価値はある?
既にGalaxy Watch 7を使っているなら、アップグレード効果は控えめに感じるかもしれません。ただし、Galaxy AIによるインサイトやバッテリー持続時間の延長が重要なら検討の価値があります。Watch 6以前からの乗り換えや初めてのスマートウォッチ購入なら、その差は明確に実感できるでしょう。バッテリー改善、賢いソフトウェア、洗練されたデザインは確かな前進です。
回転式ベゼルや大容量バッテリー、上質な仕上げを備えたWatch 8 Classicはプレミアムモデルとして目立ちます。コスパ重視なら40mmのBluetoothモデルが魅力的で、LTEやClassicは価格が上がりますが納得できる価値があります。
よくある質問
Q:Galaxy Watch 8はiPhoneに対応していますか?
A:いいえ。Galaxy Watch 8はAndroid(Android 10以降)向けで、特にSamsungのスマホとの相性が良い設計です。
Q:サードパーティ製のウォッチフェイスは使えますか?
A:はい。Google PlayとGalaxy Storeから数百種類のカスタムフェイスをダウンロードして使えます。
Q:心電図や血圧測定に使えますか?
A:はい。ただし血圧測定はサムスン製スマホとの連携が必要で、規制の関係で国によって利用可否が異なります。
Q:Galaxy Watch 8はApple Watch Series 9より優れていますか?
A:Androidユーザーにとっては魅力的な選択です。ただしiPhoneユーザーにはApple Watchの方が統合体験が優れています。
Q:防水性能はどの程度ですか?
A:Watch 8は5ATMおよびIP68等級で、泳ぐことや雨、日常使用に耐える設計です。
まとめ
Galaxy Watch 8はスマートウォッチ市場を根本から変えるほどの革新ではありませんが、既存の魅力を賢く磨き上げた完成度の高いAndroidウォッチです。高品質なデザイン、充実したフィットネストラッキング、日常で役立つAIツールがバランスよく搭載されています。
Googleやサムスンのサービスを日常的に使っているなら、本機は強くおすすめできます。一方で、期待は適度に控えめに—Watch 8は体験を洗練させるアップグレードであり、全く新しい形を示すモデルではありません。